心地よい温熱環境

年末に近づき、最近はいっそうと寒くなってきました。今回は住まいの暑さ寒さと、心地の良い温熱環境についてご紹介します。

動物には恒温動物と変温動物の2種類がいます。恒温動物は外気の暑さ寒さに対して、体温を一定に保ちます。一方で変温動物は外気の暑さ寒さにより体温も上昇や下降します。私たち人間はもちろん恒温動物です。気温が40℃でも0℃でも、体温は約36℃~37℃程度を維持します。そのためには、寒くなれば体を震わせ、厚くなれば汗をかくことで体温を調節しています。

熱の移動方法は3種類あります。①伝導②対流③輻射です。住まいで例えると次の方法になります。①伝導:冷たいフローリングから足裏に冷たさが伝わるように、接触することで直接熱が伝わる方法。②対流:エアコンのように空気を媒介として熱が伝わる方法。③輻射:冷たい壁や窓から、媒介を使わず、遠赤外線の効果により熱が伝わる方法。

住まいにおける快適な温熱環境を作るためには、これらの温度が心地よく過ごせる温度であることが大切です。

特に見過ごされてしまうのが、③の輻射。聞きなれない言葉で、想像が難しいかもしれませんが、例えば、私たちが部屋の中にいるとき、私たちの温度は周囲の壁や窓の温度の影響を受けているのです。エアコンを使って、温かい空気が私たちに届けられていても、周囲の壁や窓が冷たかったら、遠赤外線により私たちの体温も取られてしまいます。

エアコンの空気は温かい。けれど、壁や窓が冷たい。このような室内環境では人間の体は不快を感じます。

では、どうすれば快適な温熱環境を作れるでしょうか。

1つの方法としては断熱性能を上げることです。外気温の影響を受けにくくすることで、室内壁の温度を上げることができます。また、最近ではコンクリートの躯体内に通した管より温水や冷水を流すことで、コンクリート躯体を暖めたり冷たくする輻射冷暖房システムも開発が進んできました。

快適な温熱環境を作るには、冷暖房機器だけではなく、輻射熱や断熱について考えることも大事なのです。